症例報告

胃に転移した副鼻腔原発の胞巣型横紋筋肉腫の1例

庄盛　浩平¹　　　渡部　博昭²　　　徳安　成郎¹
山本　祐子¹　　　安達　博信¹　　　井藤　久雄¹

(¹鳥取大学医学部基盤病態医学講座器官病理学分野，²安来市立病院内科)

要旨: 症例は40歳代男性，左副鼻腔に生じた胞巣型横紋筋肉腫の1例である。腫瘍は線維性の隔壁で分画された胞巣状構造を示す部分が主体で，部分的に索状構造を示し，浸潤性に増殖していた。腫瘍細胞はグリコーゲン陽性，vimentin, desmin, myogenin免疫活性を示し，横紋筋肉腫に特徴的な所見を示した。胃粘膜下腫瘍から生検された組織にも同様の腫瘍細胞が見いだされた。頭頸部および胃以外の臓器に異常所見は無く，副鼻腔原発の胞巣型横紋筋肉腫で，胃に単発性の転移を伴った点で稀な症例である。

キーワード: Rhabdomyosarcoma, alveolar type, head and neck, metastasis

A case of the left sinonasal rhabdomyosarcoma with metastasis to stomach

Kohei Shomori¹, Hiroaki Watanabe², Naruo Tokuyasu¹, Yuko Yamamoto¹, Hironobu Adachi¹, and Hisao Ito¹

¹Division of Organ Pathology, Department of Microbiology and Pathology, Faculty of Medicine, Tottori University²Division of Internal medicine, Yasugi City Hospital

(論文受付 2006年 3月18日)

(採用決定 2006年 5月19日)