症例報告

外陰部原発小細胞癌の1例

津堅美貴子^1,2　　　高江　正道³　　　白石　淳一²
杉本　充弘³　　　 武村　民子²　　　小池　盛雄¹

(¹東京医科歯科大学大学院人体病理学，²日赤医療センター病理科，
³同　産婦人科)

要旨: 外陰部原発の小細胞癌は非常に稀であり，予後が悪いとされている。今回，私たちは外陰部原発小細胞癌を経験した。症例は49歳，3回経妊2回経産，左会陰から大陰唇の皮下に，4 cm大の充実性腫瘍を認めた。2回の外科的切除により外陰切除，リンパ節郭清を行った。組織学的所見は小細胞癌であった。第2回手術後，3ケ月後に局所再発，その後，肺転移，肝転移，骨転移，腸腰筋転移を認めたため，化学療法，放射線療法を追加したが，発症から1年2ケ月の経過で死亡した。免疫組織化学的検索を追加し，その発生母地，生物学的性質について文献的考察を加えて報告する。

キーワード: vulva, small cell carcinoma, histology immunohistochemical analysis

A case of small cell carcinoma of the vulva

Mikiko Tsugata^1,2, Seido Takae³, Junichi Shiraihi², Mitsuhiro Sugimoto³, Tamiko Takemura², and Morio Koike¹

¹Department of Human Pathology, Tokyo Medical Dental University Medical School
Departments of ²Pathology and ³Obstetric ang Gynecology, Japan Red Cross Medical Center

(論文受付 2006年 2月24日)

(採用決定 2006年 4月19日)