症例報告

頸管ポリープとして経過観察されていた子宮腺肉腫の1例

近藤　武史¹　　　北澤　理子¹　　　山崎　正明²
北澤　荘平¹

(¹神戸大学大学院医学系研究科生体情報医学講座分子病理学分野，² 神鋼病院婦人腫瘍科)

要旨: 今回我々は，当初通常の頸管ポリープとして経過観察されていた子宮腺肉腫の手術症例を経験したので報告する。症例は50代女性で少量の不正性器出血を認め，近医受診，頸管ポリープを認めこれを切除された。以後数ケ月ごとに頸管ポリープの再発および切除を繰り返していた。初診から半年後の切除検体で腺肉腫を疑われ，神鋼病院を紹介受診。準広汎子宮全摘術，左側付属器摘出術，リンパ節郭清術を施行された。組織学的検索の結果，同所性の腺肉腫と診断した。組織学的所見を中心に文献的考察を加えて日常診断上の注意点も含めて報告する。

キーワード: uterus, adenosarcoma, sarcomatous overgrowth, endocervical polyp

A case of uterine adenosarcoma presenting as “endocervical polyp”

Takeshi Kondo¹, Riko Kitazawa¹, Masaaki Yamasaki², and Sohei Kitazawa¹

¹Division of Molecular Pathology, Kobe University Graduate School of Medicine
²Department of Gynecological Oncology, Shinko Hospital

(論文受付 2006年 2月 8日)

(採用決定 2006年 3月17日)