症例報告

急速に悪性転化を示した前立腺原発葉状腫瘍（上皮-間質腫瘍）の1例

杉田　敦郎¹　　　片山　英司¹　　　濱田　　斉²
菅原　　毅²　　　植田　規史¹

(¹愛媛大学医学部附属病院病理部，²愛媛県立今治病院)

要旨: 前立腺に発生した悪性葉状腫瘍（上皮-間質腫瘍）を経験したので報告する。症例は73歳男性。尿閉に対する内視鏡検査で，精丘から膀胱頸部までつながるポリープ様病変を認め切除した。組織学的に小型の間質細胞と扁平上皮化生上皮が混在する病変で，間質細胞の密度は高くなく，低悪性度の葉状腫瘍と考えられた。しかし，その直後から急速に再増殖した腫瘍は，間質細胞の過剰増殖による著しい細胞密度の上昇と壊死変化がみられる肉腫像を呈しており，悪性葉状腫瘍（上皮-間質腫瘍）と診断した。

キーワード: prostate, epithelial-stromal tumor, phyllodes tumor, malignant, recurrent

A case of phyllodes tumor (epithelial-stromal tumor) of the prostate, showing rapid malignant transformation

Atsuro Sugita¹, Eiji Katayama¹, Takeshi Sugahara², Hitoshi Hamada², and Norifumi Ueda¹

¹Pathology Division, Ehime University Hospital
²Imabari Prefectural Hospital　

(論文受付 2005年 9月27日)

(採用決定 2005年12月12日)