症例報告

後腹膜に発生した胃腸管外間質腫瘍
extragastrointestinal stromal tumor（EGIST）の1例

吉田めぐみ　　　栄本　忠昭

(名古屋市立大学大学院医学研究科臨床病態病理学教室)

要旨: 後腹膜に発生した胃腸管外間質腫瘍extragastrointestinal stromal tumor (EGIST）の1例を報告する。症例は37歳女性。左腎後面に接する腎外性の腫瘍で11×15×18 cm大，割面黄白色，周囲との境界は明瞭であった。組織学的には紡錘形細胞が主体の部分や細胞内空胞を形成する上皮様細胞が主体の部分から成り，平滑筋肉腫を示唆した。しかし，免疫染色にて平滑筋アクチン陰性，S-100陰性，CD34陽性，c-kitが一部に弱陽性であった。腫瘍は完全に切除されておりその後の再発および転移は認められていない。

キーワード: retroperitoneum, EGIST, CD34, c-kit

A case report of extragastrointestinal stromal tumor arising in the retroperitoneum

Megumi Yoshida and Tadaaki Eimoto

Department of Pathology, Nagoya City University Medical School　

(論文受付 2005年 8月15日)

(採用決定 2005年11月28日)