Grocott染色の改良法 アンモニア銀を用いた真菌染色法について
【質問事項】
1.当院では以前,組織診と細胞診の両方でGrocott染色にアンモニア銀を使用していましたが,細胞診検体で偽陰性の症例があり,現在はメセナミン銀に変更しています.細胞診で染まらない症例をご経験されたことはございますか.その理由や,細胞診特有の工夫があればご教示ください.

2.菌体が多数集簇している場合,Grocott染色にムラが生じ,中央部で染まりにくい傾向があります.改善策についてご教示いただけますでしょうか.


【回答】
1.細胞診検体でアンモニア銀における偽陰性の経験がなく,お答えすることができません.
申し訳ありません.

2.質問いただきましたとおり,菌体の集簇部分では中心部では淡く,周辺部では濃く染色されることで染色ムラが生じます.染色時には銀反応の終点をどの部位で判断するかで迷いが生じます.切片の厚さで比較すると,切片が厚いほど菌体の多い周辺部は、より濃く染色されます.切片が薄い場合は周辺部と中心部の菌体量の差が少なくなることで,結果として染色強度の差も軽減されるとともに,菌体の形態観察がし易くなります.改善策として,2〜3μmの薄い切片が推奨されます。

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