精度管理報告
【質問事項】
1. 今回,2枚の切片に対しPAS反応を行い郵送致しましたが,何か理由がりましたらお教え願います.

2. PAS反応は水洗で色が増しますが,シッフ試薬での染色の可否の見極め方を教えてください.

3. 核染色で推奨されるヘマトキシリンの種類は何ですか.また,核染色が過剰に染色された場合の対処法を教えてください.

【回答】
1. 標本破損や再染色用の予備を含め2枚の未染色標本をお送りいたしました.案内文に説明の記載がなく申し訳ございません.2枚の標本を染色しご返送いただいたご施設は,評価判定委員会にて適切な標本を選択し,評価させて頂きました.切片厚を意図的に変更はしておりませんが,お送りした標本のなかには多少の厚みの違いが生じておりました.
今後の精度管理の際には厚みを揃えるように致します.

2. シッフ試薬での染色可否の見極めポイントは,切片が薄いピンク色になる程度です.色調の画像は,バックナンバーの病理技術86巻1号,PAS反応の安定化のための提案(田口勝二)の写真5を参考にされるとよいと思います.今回の調査では10~20分の反応としている施設が多い結果でした.染色時間が長くなると共染が強くなることも考えられますので,切片の色を確認しながら時間を調整するのが良いかと思います.

3. 今回の調査では,マイヤー系を使用されている施設が多い結果でした.成書でもマイヤーのヘマトキシリンが使用されていますのでマイヤーを使用するのが良いと考えます. 核染色が過剰な際は塩酸アルコールや塩酸水で分別を行うことが考えられますが,可能であれば短めの時間で染色し,弱いようであれば時間を追加するのが良いかと思います。

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