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アミロイド染色精度管理事業報告

山田 範幸1),古谷津 純一2)

1)岩手医科大学附属病院 病理診断科
2)獨協医科大学埼玉医療センター 病理診断科


【はじめに】第99回日本病理組織技術学会では精度管理事業としてアミロイド染色をテーマにした. アミロイドの証明は, アミロイド―シスの診断に不可欠である. アミロイドの証明には, アミロイド染色(偏光顕微鏡での確認を含む), 免疫染色, 電子顕微鏡での検索がある. 多くの施設ではアミロイド染色が用いられている.
【目的】今回の精度管理では10%緩衝ホルマリン溶液で固定して作製した肝臓のパラフィンブロックを配布し, 各施設で行っているアミロイド染色を実施していただいた.
【方法】染色評価については, 外部精度評価委員会で ①アミロイドの染色強度, ②共染の有無, ③核の染色性, ④切片の厚さ, ⑤陽性部位と背景のコントラストの5項目について配点を0点・1点・2点として評価した. 総合評価は, 各項目の合計点数からA判定(9~10点), B判定(7~8点), C判定(5~6点), D判定(4点以下)とした. 参加施設は51施設であった.
【結果】A判定が40施設でB判定が11施設であった. C判定およびD判定の施設はなかった. A判定の40施設のうちDFS染色は28施設 (70%), コンゴ―赤染色は10施設 (25%), ダイロン染色は2施設 (5%) であった. 一方, B 判定の11 施設のうちDFS 染色は3施設 (27%), コンゴ―赤染色は8施設 (73%) であった. 減点の対象となった項目は, 陽性部位と背景のコントラストが16施設 (31%), 共染は6施設 (12%), アミロイドの染色強度は4施設 (8%), 核の染色性が3施設 (6%), 切片の厚さが2施設 (4%) であった.
【まとめ】すべての施設がA判定およびB判定でとても良好な結果であった. A判定の施設ではDFS染色が多く, B判定の施設ではコンゴ―赤染色が多い傾向がみられた.


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