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FileMaker Pro を用いた病理支援システムの構築
―電子カルテと接続経験―

山田 正人,湯澤 和彦,福田  学,吉野美由紀
山本 恵美,高橋美紀子,川本 雅司

帝京大学医学部附属溝口病院 臨床病理部,同 病理診断科


 市販データーベースソフトのFileMaker Proを用いて病理支援システムを自作で構築し,2003年より運用してきた.今回,このシステムと電子カルテを接続したので,概要を紹介する.
 当院では,1988年からdBASEにて組織診と細胞診のデーターを管理運用してきた.その後,FileMaker Pro を用いたMacintoshの環境でサーバー・クライアントによる病理部内のネットワークを構築し組織診,細胞診,剖検データーをはじめ,マクロ・ミクロ画像の管理,標本貸し出し管理,依頼書の画像化による保存と管理を行ってきた.運用開始時から比べ,クライアント数は倍以上となり,バーコードやスライドプリンタPPM-SX(武藤化学)の導入で日常業務をより効率化した.システム構築では1)操作が簡単であること.2)誤入力,誤操作に対して制御の充実.3)セキュリティーに注意した.また.特に工夫した点は1)受付後1週間経過しても未診断である場合,自動的に表示される.2)迅速診断を受付した場合,自動で検査履歴が印刷され患者情報が取得しやすい.3)検索結果の印刷は検査番号順か患者別かの選択ができる.4)組織診と細胞診の対比を容易にしたマッチング検索.5)画像登録の簡便化.特に検査番号のバーコードを読ませることで,デジカメ撮影を可能にした.このように構築されたシステムを運用しているが,大きなトラブルはなく日常業務支援になっている.院内の電子カルテが整備されることになり,病理部門においても電子カルテとの連携が必要となった.市販病理システム導入の選択もあったが,FileMaker Proによるシステムで電子カルテとの連携を試みた.この連携に必要なwebサーバーの構築を武藤化学に依頼し,現在問題なく稼働している.


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