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業務に即した病理支援システムの構築

濱川 真治1),櫻井  勉1),近藤 洋一1),倉品 賢治1)
小坂 美絵1),若林  良1),柏崎 好美1),清水誠一郎2)

1)公立昭和病院臨床検査科
2)公立昭和病院病理診断科


 【はじめに】病理業務は増加傾向にあり,正確な診断とともに迅速性も要求されてきている.その中で検査依頼から検体提出,標本作製,結果報告に至るまでスムーズな業務体制を構築することは重要な課題である.今回われわれは病理システム更新に伴い,①ペーパーレス運用,②バーコード管理に即した機器配備,③システム改良を行ったので報告する.
 【導入機器】病理診断支援システムPathoTopia,カセット印字機Palsar,スライドガラス印字機PPX-SX,ラベルプリンターTEC(以上,武藤化学取扱),Wacomタブレット,surface proなど.
 【改良点】①ペーパーレス運用に対しては,1)依頼伝票の廃止→バーコードラベル運用,2)切り出し用紙の廃止→ペンタブレット導入,3)特染ワークシート用紙の廃止→タブレット端末導入.②バーコード管理については,手書き運用→カセット印字機とスライドガラス印字機導入し二次元バーコード管理を行う.③システムは,業務に即した作業性の向上と医療安全面について考慮した.
 【運用】依頼情報は電子カルテより入力し,依頼臓器数分のバーコード付き検体ラベルが排出され,固定瓶に貼付した状態で病理に届く.依頼情報は病理システムと連携させ,受付登録後には病理番号付きバーコードラベルを排出する.同ラベルを用いた写真撮影,切り出しや検体保存を行う.また切り出しや診断画面などでは依頼情報画面がポップアップされる機能を設け,その確認を必須とした.術中迅速診断時には生臓器写真撮影,臓器マクロ所見の入力,凍結切片貼付用スライドガラスと包埋カセットの同時印字とした.切り出し作業はペンタブレットを用い,包埋カセット出力や特染依頼,コメント入力も可能とし,包埋時にはタブレット端末にて特染情報の閲覧,切り出し図の確認,薄切・貼付時には特染情報と薄切枚数の確認,スライドガラスの印字などを可能とした.
 当日はペーパーレス運用に伴う機器配備,システム改良,今後の課題について報告する.


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