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アンモニア銀液調整の再考

磯崎 勝

小田原市立病院


[はじめに]
鍍銀染色は好銀線維染色として肝臓、リンパ節あるいは間質由来の腫瘍の特殊染色として用いられている。鍍銀染色では通常アンモニア銀液が用いられ、その本態は銀-アンモニア錯体である。アンモニア銀液は化学の分野ではトレンス試薬(Tollens’ reagent)として有名であり、その作製方法は複数報告されている。今回は、水酸化ナトリウムや 水酸化カリウムを使わない方法で作製したアンモニア銀液を用いて細網線維染色を試みたので報告する。
[原理]
2AgNO3+2NaOH→Ag2O+H2O+2NaNHO3
Ag2O+4NH3+H2O→2[Ag(NH3)2]+ + 2OH-
作製された2[Ag(NH3)2]+が細網線維と結合して銀を析出させる。
[方法]
従来の処方で作製したアンモニア銀液および新しい処方で作製したアンモニア銀液を用いて鍍銀染色を行う。両者の染色性を比較する。
鍍銀染色の染色工程は両者とも同様の工程で行うこととする。


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