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術中迅速組織・細胞診断に用いられる特殊染色

日本医科大学多摩永山病院病理部*、日本医科大学病理学講座**
片山博徳*、丹野正隆*、細根 勝*、内藤善哉**


 近年、術中迅速診断の件数(ブロック数)は増加の一途をたどっている。  この迅速診断により術式や切除範囲の変更などにつながり患者さんにとって重要な情報となる。この術中迅速診断は制約された条件下で行われ、時にその診断に苦慮することもある。この様な時に必要に応じて特殊染色を併用することにより限られた時間の中でさらに精度の高い診断が期待できる。今回、迅速細胞診断に特殊染色(一般特殊染色、免疫染色)を併用するためにその技術的な事項を現在までの経験に基づき報告する。組織材料の固定は酢酸、アルコール、ホルマリン(9:1:1)の混合液でその時間は30秒~1分、細胞診材料は95%アルコールで1分程固定する。組織のヘマトキシリンエオジン染色は核染色にマイヤーのヘマトキシリンを使用し染色時間は1分程度としている。細胞診はオレンジGとEACH50の染色時間を各1分にしたパパニコロウ染色と必要に応じてDiff-Quik染色を行っている。一般特殊染色としてはPAS染色、アルシアン青(pH2.5)染色を主に用いている。免疫組織/細胞染色は酵素抗体法の1つであるエンビジョン法を使用している。固定、水洗しTTBS(Tween-20加Tris buffer saline)洗浄後、1次抗体、標識抗体を各々3分反応させる。抗体、標識試薬などの洗浄は洗浄ビンで5~10秒ほど洗浄するのみで十分である。DABは1~2分反応後、対比染色はマイヤーのヘマトキシリンを用いている。このように固定終了後、10分程で判定可能である。また、今回は組織の包埋剤や凍結法などについても報告する。


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