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「セルフィールneo」によるホルムアルデヒド逓減システムの紹介

鶴久 季浩

正晃株式会社 広域営業所


[はじめに]
国際がん研究機関ではホルムアルデヒド(以下FA)はグループ1に分類され、ヒトに対して発がん性ありと評価されている。平成20年3月に政令等が施行され、FAは特定化学物質第2類物質へ変更となり管理濃度が0.1ppmと定められ、労働者の暴露防止のためにFAを取り扱う作業において発散抑制措置が必要となった。
一般家庭におけるシックハウス症候群対策の既製品『セルフィール』をベースにし、FA濃度が特に高い病理部門でも有効な「セルフィールneo」が製品化された。このセルフィールneoを軸とし、FA逓減システムを企画・販売したので概要を紹介する。

[製品説明]
1.空気触媒「セルフィールneo」 鉄やカリウム等の化合物を含む水溶液で、部屋の天井や壁に塗布する。触媒としてFAやキシレンなどの有機化合物を分解するが、剥離による経時的劣化はほとんどない。施工は50㎡あたり4時間で、日常業務終了後、翌朝までに終わる。
2.FA遮蔽シート「ホルガードneo」 高強力ポリエステル布の両面に上記セルフィール加工を施したシートで、吸排気が行えないスペースで発生するFAの局所的分解を目的とする。
3.FA分解スプレー液「ホルパス」 ホタテ貝殻の粉末を高温で焼いて天然水に溶かした水酸化カルシュウム水溶液で、使用後の切出し台等に噴霧して使用する。天然素材100%のため、体内に入っても無害である。

[考察]
複数施設における導入事例から、病理部門でのFA分解性能は実証されたが、本品のみの導入では万全な方法とは言えない場合もあり、0.1ppmをクリアするため必要に応じてホルガードneoやホルパス、さらにはプッシュプル型換気装置導入を要する場合もある。しかし空調設備だけによる強制排気法では、機器自体やエアコン稼働による電気代、フィルター定期メンテナンスなどの維持管理費が大きく、低コストで安全かつエコな本製品の導入意義は高いと考える。


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