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定温装置における脱灰の検討

旭川医科大学病院 病理部
秋山 直子


【はじめに】
骨組織の病理標本作製には脱灰操作が必要となるが、各脱灰液には脱灰に要する時間、組織形態に与える影響、酵素染色や免疫染色などの染色性において一長一短の特色が見られる。そのため目的に合わせた脱灰液を選択する必要性がある。今回、脱灰時間の短縮と染色性の向上を目的にマイクロウェーブ(以下MW)を用いた脱灰方法について検討し、各種脱灰液と比較を行ったので報告する。

【方法】
・MW照射にはMILESTONのMicroMEDT/Tmegaを用いた。照射中は脱灰液を撹拌し、50℃の一定条件に設定した。
・MW脱灰には、EDTA-2NaとPlank-Rychlo液の2種類を使用した。
・比較には、Plank-Rychlo液、Morse液、ギ酸の3種類を用いた。
・材料に大腿骨を用いて各脱灰方法の脱灰日数を比較した。
・胃、大腸、肺、骨髄組織を模擬的に脱灰し、HE染色・免疫染色の染色性について比較した。

【結果】
大腿骨を材料に脱灰日数を比較した結果、MWを利用した脱灰方法が最も早く脱灰が完了した。しかし、加熱の影響と思われる組織障害が見られた。
また、骨組織への転移性腫瘍における原発巣推定のために用いられる抗体を用い、免疫染色の染色性についても検討を行ったので結果についても併せて報告する。


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