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トリコスポロンの臨床と病理

尾花ゆかり(日本大学医学部病理学講座)


トリコスポロン(Trichosporon)属は土壌等の自然界に広く分布する酵母様真菌である。

わが国に多いとされる夏型過敏性肺炎はトリコスポロンによるアレルギー疾患であり原因アレルゲンとして知られている。欧米においては、日和見感染症の原因真菌の1つとして知られてきた。

トリコスポロンによって引き起こされる日和見感染症(深在性トリコスポロン症)は重篤な経過をたどることが多く予後も不良である。致死的経過をたどることも少なくない。

この深在性トリコスポロン症が近年わが国において増加傾向にあり問題となっている。2003年には「深在性真菌症のガイドライン」(深在性真菌症のガイドライン作成委員会)の中でもトリコスポロンが紹介された。

今回はこのトリコスポロンについての臨床と病理その問題点などを中心に若干の考察を加えて発表したい。


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