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新規コーティングスライドガラス「New Silane Ⅲ」の開発

武藤 毅(武藤化学㈱)


染色工程中の切片および細胞の剥離防止を目的として、古くからアラビアゴム、寒天、アルブミンなどが使用されてきた。近年にはシランカップリング剤による剥離防止剤が発表され、免疫染色時に行われる、抗原賦活化を目的とした煮沸処理にも対応できる強固な接着力を持つ剥離防止スライドガラスが日常的に使用されるようになった。しかし、シランカップリング剤による剥離防止スライドガラスでは、ガラス表面が疎水性を示し、切片伸展時に湯伸ばしを必要とする欠点がある。この欠点を解消できる剥離防止スライドガラスとしてNew Silane Ⅱを開発し約3年が経過した。しかし本品では、PAM染色の銀鏡反応による共染が発生する不具合および自動免疫染色装置の使用により、ガラス表面が抗体を弾き染色斑が発生する不具合が指摘されていた。前記2点の不具合を解消できる新規コーティングスライドガラス「New Silane Ⅲ」を開発したので報告する。

New Sialne Ⅲの特長として、
・ガラス表面は親水性
・強固な接着力
・乾燥時間の短縮
・PAM染色の共染を防止
・免疫染色の染色斑を防止

今回の発表では、上記特長の①PAM染色の共染防止②免疫染色の染色斑の防止を中心に報告する。


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