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ダコAutostainer/Autostainer plusによる免疫染色の自動化

神原 由季(ダコ・ジャパン株式会社メディカル・サイエンス部)


【要旨】 免疫組織化学染色は病理組織診断の補助手段として多くの病理検査室で実施されてきましたが,近年では,治療方針の決定や予後の指標となる特定分子の検索法としても注目され,より再現性の高い結果が求められるようになってきました.弊社では,自動免疫染色装置ダコ Autostainer/Autostainer plusを開発し,煩雑な染色操作を自動化することにより,再現性の高い染色性を提供することが可能となりました.

ダコ Autostainer/Autostainer plusは試薬オープンシステムを採用しているため,弊社抗体をはじめ,多くの市販抗体に使用していただくことが可能です.また,検出システムについてもLSAB法,ポリマー法,CSA法などに対応しており,病理組織診断に有用な抗体の至適染色条件はポリマー法を用いて検討しています.病理検査室におきましては,弊社推奨染色プロトコールを用いていただくことによって,比較的簡便に用手法から自動化法へ移行できます.

本装置は機器本体,コンピュータ,ラベルプリンターから構成されており,コンピュータにインストールされている専用ソフトを用いて,染色プログラムの作成から選択,編集,検体情報の入力などをスライド毎に設定可能です.また,これらの機能を活用して,病理支援システムと連動させることで,プログラム操作の簡便化や人為的ミスの回避などの試みも行っています.

使用可能検体も多岐にわたっており,ホルマリン固定パラフィン切片のほか,凍結切片,血液塗沫標本,細胞診などの免疫組織化学染色が実施可能です.その他にも二重染色や特殊染色,in situ Hybridization法における検出も可能であり,汎用性の高い装置であると考えています.


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