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カセットの二次元コードID化(P-QRWSピクルスカセット)とマクロカセットの開発

小澤 英樹(ピーシーエルジャパン)


(目的)当施設では2002年2月より病理検査標本作製工程システム化を実施し、順調に稼動している。更に改良を施すべくカセットの二次元コードID化とマクロカセットの開発を行ったので報告する。

(材料および方法)【カセット二次元コードID印字】:現在のシステムでは、病理検査室で切り出し時に患者毎のカセットを用意して、切り出し後カセット横のバーコード(8桁)を登録し、患者属性・材料項目・染色設定や染色枚数等を入力する。これらの情報を基に標本作製が施行され最終的に病理診断がなされる。

しかしながら、1次元バーコードでは取得データが少なく、印字スペースの問題や読み取り方向に制限等が有るため、より精度の高いデータ取得を目的に、二次元コードIDをカセットに直接印字する方法を検討した。

尚二次元コードを選択した理由は、
①極小に印字できる
②情報密度が高い
③読み取り方向に制限なし
④偽造変造が難しくセキュリテイーが高いことである。

印字機は㈱サクラファインテックジャパン社製のオートライトを使用し、ソフトは共同で開発。印字形態はカセットの全面寸法を考慮し、マイクロQRコードを選択して補正値は7%とした。

【マクロカセットの開発】:従来手術材料はキングサイズカセットを使用していたが、直接印字出来ないため同社と共同でマクロカセットの開発を行った。開発によりキングサイズカセットは内寸20×50mmに対し、マクロカセットは24×50mmと増大した。

(結果)従来の8桁データよりも情報取得量が増え、またカセットに直接印字できる効果は大きい。更に直接印字出来るマクロカセットを使うことにより組織処理量も増え、ブロックの数的減少に効果が出ている。

(考察)今後印字とカセットの色を検討し、更なる読取精度の向上を目指す。またデータ保存方法の改良も更に進めていく。


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