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(乳腺)   細胞診の検体処理法とその細胞像

畠山重春(サイパソリサーチセンター)


穿刺吸引細胞診は日常頻繁になされているが必ずしも診断に際して満足できる塗抹標本作製がなされているとは限らない.

細胞診検査は検体処理法が極めて重要であり,診断価値を左右する大きな要因となっている.
今回は乳腺検体を対象に,穿刺細胞診の塗抹処理法を紹介する.

穿刺吸引検体の処理法は,
1)吹き出し直接塗抹固定,
2)吹き出し,針の背塗抹固定,
3)吹き出し2枚ガラス合わせ塗抹固定,
4)吹き出しすり合わ塗抹固定,が代表的である.

結論的にはどのような塗抹固定法でも構わないが,検査の外注化が進む今日,特に強調したいのは穿刺細胞診検体の処理に馴れた技師(あるいは医師,看護師)が必ずしも塗抹を担当しているわけではないという視点にある.

表現を変えるならば,誰が塗抹しても失敗の少ない標本作製法の選択が重要である.当然のことながら95%エタノール湿潤固定を目的とした処理法を対象としている.

言い尽くされているが湿潤固定において大事なのは,細胞破壊と細胞乾燥を生じさせない塗抹処理法,そして塗抹後固定までの時間が問題となる.

塗抹から固定までの時間は1秒以内に処理というのが持論である.


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