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電子カルテを見据えた病理業務システム

吉村  忍(防衛医科大学校病院)


 近年、医療情報はアナログ主体の紙による保管より、デジタル情報によるペーパーレスを主体とする電子カルテに移行する傾向がいっそう強くなってきている。今回、当施設においては第4期の電算機システム更新にあたり、全てをデジタル化することを基本理念として次期(第5期)の電子カルテシステムに向けて構築を行った。

病理業務においてもっともデジタル化のネックになっているのが依頼書の手書き部分である。今回のシステムでは依頼は臨床医によりCP端末より患者情報、臨床診断、保険区分などを入力してもらい(臨床所見も入力可)その時点で依頼書ならびに検体ラベルを印刷出力してもらう。

出力された依頼書には臨床所見を手書きする箇所があるので、必要に応じてシェーマ、必要事項など自由に記載してもらい従来どおり検体と同時に提出してもらう。

依頼書ならびに検体ラベルはバーコードが印字されているので、病理側での依頼受付はバーコードを用いて受付入力ならびに自動採番を行う。依頼書は切り出し作業が終了して切り出し個数、肉眼所見などが記載された後にオートシートフィーダーによる読み取りシステムを用いて画像管理画面に入力する。

この後の作業は従来の方法と大きく変わりはなく依頼書(切り出し図)と標本がマッチングされた状態で病理医に提出され、報告書が作成される。

臨床側への報告は、病理医が作成した報告書と同時に1元管理された全ての画像情報も同時に送られる。この中には依頼書、固定前マクロ写真、固定後マクロ写真、切り出し図、ホルモンリセプター等の特殊報告書などが含まれ、全ての情報が臨床側へデジタル形式で送られ紙での報告は行われない。

なお、病理側では念のため従来どおり紙での依頼書、報告書の保存は行っている


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