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電子カルテシステムへの対応を意識した病理関連画像のデジタル化と管理

河村 淳平(東大和病院病理細胞診断科)


【はじめに】病理検査時の摘出臓器画像はマウント・スライドとして管理を行ってきたが、デジタルカメラ(以後、デジカメ)の高性能化・普及により、デジカメ撮影へ移行しつつある。

デジカメ画像は手軽に検索・閲覧でき、数千枚単位の画像でも小型ハードディスクで半永久的な保存・管理が可能となった。

一方、近年の電子カルテの普及により、診療各科へ病理関連画像の閲覧サービスの必要性も生じ始めている。

しかし、病理検査分野で必要とするデジタル画像は撮影条件の設定が煩雑で苦労することが多い。当院では煩雑な操作をせず簡単にデジタル写真撮影ができるシステムを構築したので、撮影時のポイントをSL医用写真撮影装置(以後、マクロ撮影台)とデジカメの性能に置き、条件設定のノウハウを紹介したい。

【撮影手順】マクロ撮影台とデジカメ・フジファインピックスS2プロ (以後S2 Pro)を用い、IEEE 1394で接続したノートパソコン(DellInspiron 8200)上で操作して撮影した。

切り出し所見は撮影画像をワードに貼り付けインクジェットプリンターにて出力した用紙に直接記入もしくは液晶ペンタブレットで画像に記載した。

【結語】画像のデジタル化によって、撮影・コピーといったステップが1つに集約され、撮影作業の効率化が実現できた。

デジタル画像は以下のような多くの利点を有している。すなわち、
1)撮影後すぐに画像を使用でき、
2)マウント・スライドを保存・管理する様な手間が省け、
3)フィルムの購入・現像費用の削減、
4)コピー機の維持(清掃・消毒やインク交換)に関わる手間暇の削減、
5)撮影から切出しまでの作業工程の簡略化が可能等である。

当施設では、検体受付から診断報告までをパスウィンドウ(松浪硝子)を用いており、セキュリティー管理が必要なものの、各診療科の電子カルテ端末から病理画像を閲覧可能にすると同時に、病理画像の管理に関連する作業の改善・効率化が達成できた。


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