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細胞診及びパラフィン切片におけるISH法による
Telomerase mRNAの検出技術と細胞病理診断への応用

広井禎之,中西邦昭,冨永 晋,渡辺まゆみ,河合俊明
防衛医科大学校病理学第一講座


【要旨】テロメアは,真核生物の末端に位置する直鎖DNAでヒトにおいては5′- TTAGGG – 3′の繰返し配列からなり,その長さは10kB – 15kBであり,その長さは細胞分裂毎に50 – 200ヌクレオチドずつ短縮する.そして約5kBにまで短くなると細胞分裂が停止するためテロメアは分裂寿命の長さを決定すると考えられている.
テロメラーゼはリボ核タンパク複合体で,正常の体細胞ではみられないが癌細胞,生殖細胞や一部のリンパ球において発癌が認められ,テロメアを伸長する働きを有している.テロメラーゼの発現は癌細胞の不死化と深く関わっているものと推測できる.
我々は,体腔液細胞診,及びホルマリン固定パラフィン切片を対象としてTelomerase mRNAの発現をin situhybridization (ISH)法にて検索し,本法が良悪性判定の補助診断になりうるとの結論を得た. Telomerase mRNAの検出技術 (ISH)法,および我々の実験データを発表する.


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