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当院病理科基本構想に沿った施設設備の再構築
―空調設備および手術摘出生臓器の取り扱いを中心に―

森 一磨,柏崎好美,濱川真治,田辺美絵,
近藤洋一,坂牧久仁子,三浦千砂子,清水誠一郎

公立昭和病院病理科


 病理学は医療の現場できわめて重要な役割を果たしているにもかかわらず,十分に評価されていない現状がある.そこで,われわれは公立昭和病院における病理科の位置づけを明確にし,将来を見据えた病理科の在り方,および諸問題を解決する方策として基本構想を策定した.当院病理科は「患者様のために,患者様を中心とした医療の質的な向上」に貢献することを基本理念とし,その実現のために次の目標を設定した.
1.当院における病理科の役割を明確にする.
2.病理科が当院に貢献するための改善策を設定する.
3.当院における病理科の将来像を探る.
基本計画は時代のニーズと患者様のニーズに対応するための方策として,当面する課題,中期,長期に分け全体で11項目を設定した.その中で当科がこれまでに達成した課題の一つに「隣接するコピー室の病理科による有効利用」がある.病理医立ち会いによる患者様・ご家族への摘出臓器の説明をする場として,また,近い将来分子病理診断学的手法が到来することを念頭に据え,生の臓器の前処理をする場としてコピー室を整備し,さらに,病理科標本室の壁を取り払い,コピー室と併せて臓器の集中管理を行う拠点とし時代のニーズに即した活用を図ることが主な理由である.また,切り出し室の移動に伴い,以前より懸案事項であったホルマリン臭を取り除く空調換気設備の工事も併せて行い作業環境改善を図った.今回,基本構想の中で達成し得た表記の課題を中心に紹介する.


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