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GIST(消化管の間質細胞性腫瘍)のマッソン染色

東大和病院 病理・臨床検査センター

桑尾 定仁


従来、胃を含む消化管おける紡錘形細胞の増殖からなる腫瘍には平滑筋由来のものと神経由来のもが知られておりましたが、特殊染色や免疫組織学的な区別が上手くできませんでした。もともと壁の薄い消化管から生じる腫瘍ですから、この中に平滑筋や神経成分が混在・増生し、鑑別出来ないことがあっても不思議ではありません。それで間質由来の腫瘍として包括し、この中で新たに分類を考えてみようということで登場したのが、間質細胞性腫瘍 stromal cell tumorの考え方です。胃を含む消化器に生じたものを全て含むため、gastrointestinal stromal tumor(GIST)と呼ばれています。この中には平滑筋由来のもの、神経(節)由来のもの、それと未分化なものが有ります。この分類に従えば、平滑筋由来の腫瘍とこれ以外の紡錘形細胞腫瘍をマッソン染色を行なうと両者に染色の差が出るものなのでしょうか?私はそんなことを考えています。もちろん、正確を期するためにも、事前に両者の鑑別を免疫染色で行なっていなければなりません。前者は筋肉マーカーが陽性であるもの、後者は神経マーカーやCD34&c-kitが陽性であることが是非とも必要です。
もし、免疫染色同様、特染もGISTの鑑別に役立てば嬉しいのですが、どうでしょうか?特殊染色の意義が薄れて行く今、もう一度特染を考えてみましょう。


1、参加協力施設名
2、染色工程一覧
3、試薬(染色液)組成一覧
4、使用試薬一覧


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