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試験・研究・分析室に於ける有害物の作業環境管理について

(社)静岡県産業環境センター都田研究所労働衛生部部長

土屋 眞知子


1. 最近の化学物質の管理と検査室の化学物質管理について
最近、化学物質の管理に関する法令等の整備が進んでいます。国際的にその整備が求められていることが背景にあります。これら法令の改正は、病理の検査室等の作業環境管理に大きく関わりがあります。分析室等には、かなり以前から数々の有害性の高い化学物質が取り扱われてきましたが、使用量が少ないということ・使用者が専門的知識をもつことなどから、案外放置されてきているのではなかったのでしょうか。どうもある特定の作業時に、頭痛がするとか、目がチカチカするとか、誰でも経験したことがあるのではないでしょうか。何となく、取り扱い物質に原因があるのではないかと感じていても、忙しさに負けて、せいぜい保護マスクをする程度ではないでしょうか。これでは、人の健康を守ることはできません。

2. 作業環境管理と作業環境測定
平成13年5月、特定化学物質等障害予防規則が改正され、エチレンオキシドに関して、作業環境測定が義務化されました。平成14年5月1日から施行されます。その関係で、病院の中央材料室に入って、作業環境測定の下見をすることが多くなっています。 そこで目にする化学物質取り扱い作業に驚くことがあります。あまりに、化学的知識が少なく、素人のような取り扱いが行われているのです。化学物質等安全データシート(MSDS)も入手していない。管理者はそのMSDSの存在すら知らず、従って有害性に関する情報が欠落している。病院の管理上の問題でもあるのかもしれませんが、下見をしてすぐ帰ることが出来ず、現場の作業環境管理の在り方を事務局等に説明することが多いのが現状です。
化学物質の取り扱いの基本と、作業環境管理の在り方について、現場の状況を交えて述べますので日常の管理に役立てて下さい。


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