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Hercep Test―原発巣と転移巣における染色性の差異について

北里大学病院病院病理部・北里大学医学部病理・同 医学部外科

能勢富佐子、松沢 敏行、市川 つわ
岩渕 啓一、蔵並  勝、岡安  勲


HercepTest (DAKO) は新しい乳癌治療薬Trastumab (Herceptin,Genentech)の適切な投与や治療効果の向上のため、投与対象者のスクリーニング法として開発されたものであり、癌細胞におけるHER2タンパクの過剰発現を免疫組織学的に検索する。現在HercepTestの対象となる材料は進行性乳癌の原発巣または転移巣の組織であるが、原発巣と転移巣の発現の強さは同等と考えて良いのか検討した報告がほとんどなく、その点について検討を行った。
材料は当院の乳癌手術症例のうち手術施行時に同時に切除したリンパ節に転移が認められた進行癌・再発癌43症例で、その原発巣・リンパ節転移巣について10%ホルマリン固定組織を4μmに薄切したものを薄切後1週以内にHercepTestにて染色を行った。
染色方法は染色法の標準化・染色強度の半定量化を考慮し、データシートどおり忠実に施行した。判定フローチャートにのっとり判定を行った結果、43症例中11症例においては、原発巣とリンパ節転移巣で染色強度に不一致が見られ、原発巣よりもリンパ節転移巣の方が強くなる傾向が認められた。


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