■ プログラム

HOME > 例会抄録 > 第64回病理技術研究会 > 8.コンペ2「ケラチンの臨床的意義」

8.コンペ2「ケラチンの臨床的意義」

大西 善博

防衛医科大学校皮膚科学教室


 皮膚の上皮性腫瘍には多数の病名があり、臨床的に診断が困難な例があり、確定診断のために病理組織検査が必要とされる場合が多い。免疫組織化学染色はその中でも皮膚腫瘍の鑑別やそのhistogenesisを知るうえで有用である。
すべての有核細胞は電顕的に3種類の異なった線維成分よりなる細胞骨格を有し、それぞれ線維の太さによりmicrofilament, inter-mediate filament, microtubuleと呼ばれているが、microfilament, microtubuleはほとんどすべての有核細胞に同様に含まれているために、細胞の分化や起源の識別には用いられない。
Intermediate filamentの1つであるケラチンは、すべての上皮系細胞に何らかの形で存在している。ケラチンのサブユニットは、分子量・電気泳動度により上皮細胞系では21種類のソフトケラチン、毛細胞では8種類のハードケラチンに分類されており、それぞれのケラチンは上皮細胞の分化に伴って発現が変化し、いくつかの皮膚上皮系腫瘍の発生・分化を知るうえで有用なマーカーになることが知られている。また皮膚の付属器腫瘍に対するケラチン染色から新知見が次々に得られており、その臨床的意義についても述べたい。

参加施設
染色工程一覧
使用抗体一覧
感想・ご意見


例会抄録一覧へ戻る