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4.有機溶剤廃液回収の問題点と限界について

小林  達

東科精機株式会社代表取締役


1.序文
近年、有機溶媒等の廃液排出について、その排出処理に対するさまざまな法規制、排出責任を問われております。また単なる法規制のためだけでなく、使用者自体が地球環境を守る意識の自覚を促されてきております。 しかし、病理検査などにおける現場では、メタノ-ル、エタノ-ル、キシレンなどの化学物質溶媒を多量に取り扱わざるを得ません。そして、その溶媒を単に廃棄業者に大量に有料にて廃棄委託しているのが現状です。 これでは、地球環境の汚染を少しづつ広げ、大切な資源を浪費していることになります。従って、可能な限り回収再利用して、廃棄処理する量を限りなく小さくする努力を使用者自体が考えなければならないことと思います。

2.廃液回収の方法
有機溶媒を回収再利用するためには、できるだけ高純度に精製回収する必要があります。その分離精製する方法としては、下記3通りが考えられます。
① 精密蒸留法
② 吸着法
③ 膜分離法
吸着法については、時間がかかることと極めて少量の処理しかできないこと、及び使用後吸着剤の廃棄処理が問題になってきてしまいます。
膜分離法については、廃液組成により種々の膜を組み合わせる必要が生じることと、装置が大掛かりなものとなり設置場所と設備費の面で大きな問題を生じます。
従って、分離技術の基本操作である精密蒸留法が最適な回収技術となります。

3.精密蒸留装置の実際

1)蒸留塔の構造
2)蒸留塔の材質
3)蒸留装置運転の難易

4.蒸留回収の問題点と限界

1)運転操作の省力化
2)共沸混合物

5.蒸留回収の展望


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