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Klüver-Barrera染色の新しい変法

林 勇介  深澤 寧  屋代 明美
大和田麻美子  櫻井 和也  下田 将之

東京慈恵会医科大学 病理学講座


【背景】
神経病理分野における髄鞘染色としてKlüver-Barrera(以下KB)染色が知られている。髄鞘やニッスル小体を美しく染め出すことができる一方で、初心者には分別が難しいことが課題である。

【目的】
KB染色の分別方法を改良することにより、誰にでも同様な染色ができ、簡便かつ再現性の高い髄鞘およびニッスル小体染色法を開発することを目的とした。

【方法】
6μm切片推奨 ノンコートガラス使用
1脱パラ~水洗、精製水、100%エタノール
2Luxol Fast Blue(以下LFB)1晩55℃100%エタノール2槽、水洗、精製水
30.08%炭酸リチウム水溶液30分水洗、精製水
4ヘマトキシリン5分水洗、精製水
50.5%塩酸水溶液30秒水洗、色出し、精製水
6クレシル紫5分100%エタノール2槽、水洗、精製水
71%酢酸水5分水洗、精製水
8100%エタノール2槽
9本法用エオジン5分
10100%エタノール5分脱水、透徹、封入

【結果】
LFB染色後の分別を0.08%炭酸リチウム水溶液30分間浸漬に変えることにより、分別の手間を大幅に省くことが可能となった。本染色法により髄鞘・リポフスチンは青色、ニッスル小体・核は紫色、細胞質は淡桃色に染色され、よりコントラストの良好な染色性を得ることができた。

【結語】
KB染色に類似した染色性を示しながら、分別の簡便なKB ‘J’ 変法(KBJ)を開発した。


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