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ISO 15189:2022

下田勝二

公益財団法人日本適合性認定協会


はじめに
 ISO 15189は2003年に初版が発行され、公益財団法人日本適合性認定協会(Japan Accreditation Board:以下JAB)は公益社団法人日本臨床検査標準協議会(Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards:JCCLS)と共同で日本におけるISO 15189に基づく認定制度を開発し、臨床検査室に対する認定制度を開始している。
 ISO 15189は2007年に第2版が、2012年に第3版が発行されているが、この度2022年12月に第4版が発行された。

ISO 15189:2022 移行のための審査要領の概要
・移行期限:2025年12月31日
・移行審査の開始:2023年11月1日(新基準による初回申請の受付開始も同様)
・基本は移行審査開始後に実施される直近のサーベイランス又は再審査において計画
・移行関連文書は再審査時相当の書類を提出
・移行審査は再審査相当の工数(TL10.5時間、病理は7.0時間で技師のみ)

ISO 15189:2012とISO 15189:2022移行審査上の対比とポイント
 改定の一つ目のポイントは規格構造の大幅変更、二つ目のポイントはリスクマネジメント関連の要求事項の強調、三つ目のポイントは規範的要求事項からの脱却となる。

まとめ
 日本において臨床検査室の認定制度が開始され20年近い時が流れた。公的な活用の加速並びに収入的なインセンティブがあり認定数は増加傾向にある。ゲノム医療をはじめとしたより高度な検査の活性化に伴う国際標準化への適合の必要性も高まってきている。病理学的検査においてもこの流れは然りである。病理学的検査の現場で広く国際要求事項に合致した検査が行われる日を一臨床検査技師としても祈念している。


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