HOME > 例会抄録 > 第107回日本病理組織技術学会 > HE染色の精度管理報告
石井脩平1) 青木裕志2) 山田正人3)
1)公益財団法人がん研究会 有明病院
2)順天堂大学医学部 人体病理病態学
3)帝京大学医学部附属溝口病院 臨床病理部
第107回日本病理組織技術学会では、精度管理事業としてHE染色を取り上げた。HE染色は、病理組織診断のための最も基礎となる染色法である。しかしながら、病理医により染色性の好みが様々であり、施設間差の大きい染色でもある。今回、HE染色の精度向上を目的として、83施設のご協力をいただきHE染色における現状を調査した。
今回の精度管理事業の方法としては、(1)病理技術研究会で準備した4μm未染色標本スライドガラスを自施設にてHE染色標本 (標本①)を作製、(2)病理技術研究会で準備した20%中性緩衝ホルマリン固定パラフィン包埋した動物由来の胃組織を自施設で薄切し2枚の未染色標本スライドガラスを作製後、1枚にHE染色をしていただいた(標本②) (標本③:未染色標本)。標本①〜③とHE染色に関するアンケート用紙を病理技術研究会へ提出。
評価方法としては、標本①を用いてHE染色の染色性を評価、標本②を用いてHE染色の質を評価した。標本③は共焦点レーザー顕微鏡を使用し切片厚を評価する予定である。当日は、返送いただいた標本を供覧しながらアンケート用紙による統計を加えて染色結果を報告する。