■ プログラム

HOME > 例会抄録 > 第101-102回日本病理組織技術学会 > マッソン・トリクローム染色の精度管理報告

マッソン・トリクローム染色の精度管理報告

山田正人
畠山重春

帝京大学医学部附属溝口病院 臨床病理部
永井マザーズホスピタル


【はじめに】
第101回日本病理組織技術学会においてマッソン・トリクローム染色の精度管理調査をした結果を報告する.マッソン・トリクローム染色は膠原線維を染め出す代表的な染色法であり,核が黒色,細胞質が赤色,線維成分が青色の3色がトリクロームと言われる由縁であるとともに,このコントラストが標本の良し悪しを決定する.
【材料と実施方法】
ホームページより精度管理調査に申し込みのあった施設に腎臓の20%ホルマリン固定,厚さ約2µmのパラフィン切片を送り,実施した染色標本とその方法を記載したアンケート用紙を35施設より返送していただいた.
【判定方法】
核:染色の強度と色調
マッソン液:尿細管上皮の細胞質と血管の筋層
アニリン青:メサンギウム基質,糸球体基底膜,尿細管基底膜,血管の膠原線維などの染色性を複数名により確認し総合判定とした.
【アンケート結果】
1ヶ月間でマッソン・トリクローム染色を行う頻度は最低が0枚,最高が126枚であり2施設では自動染色機で行っていた.染色にコントロール切片を使用しているのは7施設であった.染色の対象組織として腎臓以外では心,肝,肺,皮膚,膵,子宮頸部,リンパ節,大動脈,骨,骨髄,大腸などであった.第1媒染に7.5%ピクリン酸やブアン液の使用あるいは行わない方法.核染色にカラッチのヘマトキシリンの使用が3施設,核染色を行っていないが1施設であった.このように施設によりマッソン・トリクローム染色法は異なることを調査で知り得,その染色結果を供覧し報告をする.


例会抄録一覧へ戻る